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圧倒する量「吉田博展」成功した画家の一生

久しぶりに新宿高層ビル42階の美術館へ

東郷青児ゴッホで有名な新宿駅西口方面にある損保ジャパン日本興亜美術館へ。気になっていた企画なので、見逃す(見忘れる)前に行ってきました。量も圧倒的でしたが、それ以上に成功した男性画家のパワフルな人生を眺めることができた気がしてます。

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かつては結構よく来たところです。また新聞購読再開したので、チケットもらえたら来ます。

www.sjnk-museum.org

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私はこの方、存じなかったのですが、wikipedia の言葉を借りると

吉田 博(1876年(明治9年)9月19日 - 1950年(昭和25年)4月5日)は、日本の洋画家、版画家。自然と写実そして詩情を重視した作風で、明治、大正、昭和にかけて風景画家の第一人者として活躍した。

いきなり個人的な総論を申してしまえば、とにかく量と画題の守備範囲が多く広い!見応えありました。

6部で構成されていた

自分は、初期の水彩画と後期の木版画が一番惹かれました。

第1章 不同舎の時代

デッサンの心得全くないので、すごい!以外に言葉が出ないので、展示の説明より引用です。

潔い輪郭線と斜線の束で対象を描きわけ、筆致の強弱で明暗や濃淡を巧みに表現

私がよく行く奥多摩へも写生に行っていたようで、馴染みな地名がありました。

www.1book.jp

第2章 外遊の時代

国費留学で外遊する人たちを羨ましく思いながら、片道切符と1ヶ月分の生活費と描きためた絵を携え、渡米します。幸い、デトロイト美術館長に認められ、展示会を開き絵が売れ、人生も開けたようです。

こういう興奮するような人生… 味わってみたいですわ。

夏目漱石三四郎」にも登場する(と思われる)作品「ヴェニスの運河」もありました。

第3章 画壇の頂へ

再び、人生ドライブ駆けようと外遊を試みますが、第一次世界大戦と重なり断念。結果として、ここから関心が国内の山々へ向かうそうです。

息子たちに山の名前をつけるほどですから、結果としては山に魅せられたのですね。

第4章 木版画という新世界

またきっかけ(関東大震災)があり、今度は木版画という世界に目を向けるようです。

そもそもは、またまた人生ドライブ駆けるため渡米するのですが、今度は思うように絵が売れなかったとか。しかし、逆にここで改めて江戸時代の浮世絵から発展乏しい?(と本人が感じた)木版画に取り組んだようです。

西洋人文主義美学ではなく東洋的美意識を自覚してゆく

とありましたが、東洋的とはなんぞや?

日本人にしか描けない洋画とは何か?

と問いかけてました。

日本版画にはない光の輝きや微妙なテクスチャーそして柔らかなグラデーション

ということらしいです。以下の作品はwikipedia (パブリック・ドメイン)からの引用です。

f:id:yfroot425:20170813195034j:plain 「富士拾景 船津」 1928年(昭和3年)

f:id:yfroot425:20170813195040j:plain 東京拾二題 亀戸神社」 1927年(昭和2年)

f:id:yfroot425:20170813195045j:plain 「日本南アルプス集 駒ケ岳山頂より」 1928年(昭和3年)

第5章 新たな画題を求めて

昭和初期、長男を伴ってインドへ行きます。この時代に個人で長期間インド滞在できるのですから、裕福だったのだろうと(庶民は)推測します。

その計画は実に綿密だった。(略)日の出を晴天下で見るべく季節を選び(略)満月に出会うべく月齢調べて出発の日を決めた。

天才がさらに努力するのだから、凡人は叶わない。やはり何事も、計画(作戦)練るのも重要だなと自分は反省しました。

第6章 戦中と戦後

もはや老境に差し掛かっているのに、従軍画家として戦地へ赴くのです。が、まだ初期の頃で戦況は泥沼化してなく、むしろ「高みからの眺めを好んだ」と戦闘機からの眺めをスケッチしていたり。

画面は不思議に明るく、どこか絵空事めいている。

と解説にあったように、素人の私からしても「絵力(えぢから)」をあまり感じませんでした。戦争など、嫌な画題ですよね。やっぱり。

個人的には「西洋人が描きそうな日本画」という印象を受けましたが、いかがでしょうか。眺めてて、とても気持ちが落ち着くので、こういう写真とか撮れたら嬉しいなとか。

人はひっきりなしに訪れてましたが、観賞するのが苦になるほどの混雑ではなかったです。

日本美術、新しい風景画に出会えました。

42階から眺める東東京

住む気にはなりませんが、たまには高いところ、いいですよね。

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