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「悪」がテーマの展覧会に行ってみた(前半)

お題「マイブーム」

お江戸の文化

人混みにも屈せず「悪」をテーマにした展覧会へ

TBSラジオで耳にしたこの展覧会が気になって巡っている。

(後輩の言葉を借りるなら)やっぱりお江戸はこういう興味深い企画あるし便利で楽しい。

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多分野連携展示「悪」のちらし

正式名称は『多分野連携展示「悪」』というらしい。

今回はこちらの4つ

次回にこちらを紹介してみたい。

  • 太田美術館「江戸の悪PART II」
  • 國學院大學博物館「惡-まつろわぬ者たち-」

ヴァニラ画廊「NH【悪・魔的】コレクション〜dvil devil~」

7/1日までだったので、急遽行ってみた。

入場料が1700円なので、正直(少し冷やかし気味な自分にとっては)高いなという思いはあったけど、かなり混雑していたので逆にそれが気になって入場してしまった。このスペースでこの金額を払ってでも見たい人がこれだけいるのなら... という逆張りな気持ちでごめんなさい。

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ヴァニラ画廊の入り口

www.vanilla-gallery.com

お化け屋敷の雰囲気を思い出した(失礼)。

以下のタイトルで構成。

  • 1/シリアルキラー・コレクション
  • 2/奇妙なおとぎ話・映像の世界の魔的コレクション
  • 3/愛すべき恐怖・怪奇漫画の中の魔的コレクション
  • 4/心の中に潜むもの~inner psychological world

4部構成だったのだが、1と3に見応えがあった。

1は実在した海外のシリアルキラーによる作品や手紙だったのだが、それがフィクションでないとことが怖かった。彼らは多分にもれず死刑となっているのだが、その生い立ちを遡ると気の毒な側面もあり、カポーティの「冷血」を思い出した。

3は楳図かずお水木しげるらの漫画の生原稿があり、漫画の制作過程を興味深くみた。

実は... あまりの恐怖というか、これらの作品を興味深く楽しんでいる人々のなかに自分が混じっていることが急に怖くなり、突発的な閉所恐怖症と人混みに倦んできて最初はわりと集中していたけど、30分たらずで抜け出てしまった。

いざ出て解放されてみると、値段相応に力のある展示だったと感心している。パンフレットの内容も充実してて、展示から解放されてゆっくり読んでいる次第である。

東洋文庫ミュージアム「悪人か、ヒーローか Villain or Hero」

9/5水までなので、まだ時間はあるのだが、文京区に行く用事のついでに初めて東洋文庫へ行ってみた。三菱財閥に由来のある文庫のためか、ラグジュアリー・ホテルな雰囲気だった。

〜9/5水まで。

展示 - 東洋文庫ミュージアム INFO

企画展だけでなく常設展も見ることができた。入場料は900円。

次の人物にターゲットを当て、ゆかりある文書を公開していた。基本、文庫(=本、文書資料)を収集しているところだから、視覚的な閲覧の楽しみは薄かったかな。あいにく漢文や古文が読めるわけではないので...。

主として1600年以降、江戸時代の資料が多く、それなりにますます江戸時代への興味を駆られる結果で、それはそれで楽しみが増えた。

リピート狙いなのか、次回割引券ももらったので次回はレストラン併用で行ってみるかも。

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コレクション文庫2万5千冊

ラグジュアリー・ホテルのロビーかと思った。

国立演芸場「悪を演(や)る」ー落語と講談ー

個人的には落語より講談への関心が強まっている。むろん、神田松之丞氏の影響だが...。

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「悪を演(や)る」ー落語と講談ーのパンフ

http://www.ntj.jac.go.jp/engei/event/1686.html

自分はわりと「笑い」や「オチ」への期待は薄く、むしろ「悪いやつ」の話は好きだ。「なぜ悪い」「どう悪い」辺りに人間ストーリーを期待してしまう。ということで、日本人として知っておいてよい物語としての悪が集約されているこちらの特集がよかった。

江戸時代後期の茶坊主というが、要するに江戸城の官僚で現在風に言えば、官僚の立場を利用して恐喝や賄賂を要求していたみたいな、いつの時代にでもいるやつ。

将軍徳川吉宗落胤を称して悪事を働き、大岡裁判で死罪にあうみたいな、日本の「ザ・時代劇」の定番のような悪。これはがっつり講談を聞きたいやつ。

言うまでもなく。芥川龍之介が小説にしているようなので、それも読んでみたいかな。

明治の三遊亭圓朝の落語・怪談噺として有名なやつで、「四谷怪談」「皿屋敷」と日本三大怪談とか。

こちらも三遊亭圓朝の落語・怪談噺として有名なやつ。以前蜃気楼龍玉で2話ほど聞いたが、やっぱりもう一度聞きたい。

  • 嶋鵆沖白浪(しまちどりおきつしらなみ)

「白浪」とはようするに盗賊。これがわかっているだけでも、お江戸文化のことはいろいろわかってくる。

ということで、今回企画展示のこの6つのことがわかっているだけで、落語&講談だけでなく歌舞伎や浮世絵も見所などがわかってきて、芋づる式で日本が楽しくなってくるの。

国立劇場伝統芸能情報館「悪を演(や)る」ー歌舞伎の創造力ー

日頃からNHKを録画で歌舞伎を勉強(?)しているので、少し知っているが、それを改めてまとめてくれるととても嬉しい。

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「悪を演(や)る」ー歌舞伎の創造力ーのパンフ

www.ntj.jac.go.jp

歌舞伎役者はその敷居を低くしようと日夜努力いただいておりますが、やっぱり歌舞伎も知っている(知識がある)方がより楽しめる。伝統芸術だけあって、いろいろな要素(お江戸時代の文化や時流など)があるし、繋がってくるとその芸の深さに喜びをおぼえる(大げさかな)。教養ってやつかも。

とくに今回は「悪」という観点はいろいろ知れる。

公卿悪

時代物の悪(お家騒動)

 実悪、実際に起こっているところがポイント。

白浪物(盗賊)

やっぱり「石川五右衛門」かなと。

こちらもバカの一つ覚えで知っているのだが、「金門五山桐 南禅寺山門の場」を生の海老蔵で見たい。テレビではみたことあるが、はまり役かと。私のなかでは、海老蔵氏はやっぱり... ダーク・ヒーロなのである。

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『金門五山桐』の南禅寺山門を観客SNS用に再現!

ここで名台詞「絶景かな〜」と言う。

盗賊もの、素人がまず最初に学習したいのが弁天小僧を含む「白波五人男」。

個人的には、是非次のラインナップで見たい。

誰でもよい!

  • 赤星 十三郎
  • 南郷 力丸

世話物の悪(色悪、悪婆)

色男、惚れた男性のために悪事を働く色気ある年増女だが、性根は善良だから憎めない。共に退廃的なユニークと言うが、退廃的なだけに能天気には笑えない。

悪所とよばれた江戸の芝居小屋という特殊な場にこそ生まれ、歌舞伎でしか演れない悪の美が見られます。

個人的には、二代目中村七之助がはまり役ではと思っている。

歌舞伎のことごとを知ってくると、かなり浮世絵もわかってくる。浮世絵の技法はまた別の話であるが。ということで、次回に続く。

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