浮世絵、お江戸の文化
「悪」がテーマの展覧会
お江戸に限ったテーマではないが、自分の関心がどうも「歌舞伎」「落語・講談」「浮世絵」に向いているので、ついつい江戸時代に言及してしまう。
前半に続いて、残りの2つを紹介。
- 太田美術館「江戸の悪PART II」
- 國學院大學博物館「惡-まつろわぬ者たち-」
太田美術館「江戸の悪PART II」
原宿にある浮世絵の美術館で、初めて行ってみたけど面白かった。
パンフからして、心そそられるう。
場所のためか外国人観光客も多く、フランス語のガイドの方がいて、それが耳について少し不満だったけど...。
次の4部で構成されていた。
- 悪人大集合
- 恋と悪
- 善と悪のはざま
- 言葉としての悪
比重としては、やはり「悪人大集合」が重量級かなと。その悪人を次の種類?で分類分け、結局のところ浮世絵なので、どうしても歌舞伎へとつながってゆく。
- 盗賊
- 侠客
- 浪人
- 悪僧・医者
- 悪の権力・巨悪
- 悪女・女伊達
- 悪の妖術使い
五代目松本幸四郎は鼻が高いとかで、その特徴を掴むと、浮世絵見ながら誰が幸四郎なのかすぐにわかるのが、バカの1つ覚えとして知識がついた。ちなみに現在の松本幸四郎は染五郎改十代目(同じ学年)。
その逆として、わかりにくかったのは「言葉としての悪」。悪は悪いけど(ある意味)パワーがある!という部分をとらえ、あえて悪玉・善玉を比較する試みだった。
- 恋と悪
- 善と悪のはざま
- 言葉としての悪
方向性?は面白いと思ったが、いかんせん浮世絵ではなく文書での紹介だったので、イメージが湧きづらかった。
思わず買い上げた、こちらの書籍を楽しんでいる!
- 作者: 渡邉晃,太田記念美術館
- 出版社/メーカー: 青幻舎
- 発売日: 2016/06/02
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國學院大學博物館「惡-まつろわぬ者たち-」
渋谷にある大学と聞けば「青山学院大学」だったが、足を運んでみると国学院大学もいい雰囲気を醸し出していた。
この企画展のエッセンスを引用。
(略)単に禍々しい人間の姿だけでなく、意外にもポジティブな側面や、権力によって作り出された虚構のイメージ
と、悪をポジティブに捉えた視点に好感が持てた。これは太田美術館のわかりにくテーマと通じるものがあるかなと。次の4部構成だったが、展示品は多くなく、文書が主だった。
- 第1章 「惡」という文字 ー古代中国の死の世界ー
- 第2章 日本神話の中の「惡」ーあらぶる神々の叫びー
- 第3章 「惡」のちからー従わざるものー
- 第4章 つくられた「惡」ー変転する歴史観ー
主に平家と源氏や足利尊氏とか木曽義仲とか、時代によって勝者・敗者、善・悪と見解がわかれる視点になるほどなと。
この企画展自体は小ぶりだったけど、他に大学のお宝が展示されていて、それらがそれなりに見応えがあった。
新規収集物だとか。身長180cmの六尺男!
よろしければ、前半もご覧くださいませ。
島津藩下屋敷跡とは?
この國學院大学の位置をGoogleで確認すると、すぐ裏手に「島津藩下屋敷跡」とあるので、つい寄ってみた。なんだか高い塀に囲まれ警備されているので、正門付近から中の様子を伺ってみようとそばにちかよると... ブザーがなって警官らしき人に「何の用ですか?」と職質を受けてしまった。
正直、怖かった。
何の施設か調べてみると、常陸宮邸(天皇陛下の弟宮)だとか。この辺一帯を「常磐松」と呼ぶようだが、それなりに由来のある土地柄なのが地味に面白怖かった。
むかしをしのんで、お散歩するのも楽しいかも。