今週のお題「自由研究」
氏の作品、気になってました。どこかで発表してみたかったのです。
きっかけは「まほろ駅前番外地」
三浦しをんさん原作のこちらを、映画&テレビで観て、主人公役である瑛太&松田龍平コンビの微妙な距離感と男の友情にほだされていたところ、アヒルと鴨のコインロッカーというタイトルから内容が全く推測できない映画でも共演していることを知り、この訳がわからぬタイトルを映画を観る前に解明したい!と原作を読んでみたのが、全ての始まりです。
プログラミングしているようなストーリー
私はシステム・エンジニアリングという仕事をしておりました(過去形)。ということで、学生時代や若かりしころには、プログラミングなんぞをしていたこともあるのですが、氏(伊坂幸太郎氏)が紡ぐストーリー(特に長編)は、まるでソースコードを読んでいる感覚があるのです。氏もその種の仕事をしていたバックグランをお持ちなのが理由とは思ってませんが…。
起承転結の「起」を「インプット」とすると、「結」である「アウトプット」があって、「承」「転」は処理に相当するストーリーになるのかと。そして、プログラミングには必ず登場する「変数」が「登場人物」という具合。
そこに、氏独特なギャグなり、スタイリッシュなタイトルなり、そしてこだわりの音楽が織り交ぜられております。
映画との関係
賞をとったり話題になると、すぐ映画化される昨今でしょうが、氏の作品の多くも映画化されてます。アヒル&鴨ではまった私は立て続けに、「フィッシュストーリー」「重力ピエロ」「ゴールデンスランバー」「ポテチ」と観てますが、2次元(小説)のストーリーが3次元(映画)に変換される感じも、これまた楽しめます。
私が観た作品のうち、監督は中村義洋氏が多く、出演している俳優は男性陣で
瑛太(以下、敬称略で)の他濱田岳、伊藤淳史、高良健吾、加瀬亮、岡田将生、堺雅人、森山未來、大森南朋、渋川清彦、滝藤賢一
女性陣だと
なので、圧倒的に男優陣が気になります。
音楽はあの斉藤和義(「歌うたいのバラッド」)氏が関わっていることも多く、それはそれなりに理由がありそうなこと、Wikipediaの斉藤和義に記載されてますね。
結局のところ、何でもそうでしょうが、気になる物事が連携されていくと深みにハマってゆくものです。ということで、2次元(小説)と3次元(映画)の変換も濃い氏の作品には考えさせられること、発見すること少なくありません。
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どのように進化するかが楽しみ
ここ数年は、全く現在進行形の作家モノは読めずにおりました。どうも、(著者は苦労されていると思うのですが)どれもヒステリックで特異な心理を持つ人物だったり、著者の感性で書き綴っているような内容が耐えられなかったのです。
それに対して、氏の本はどれも構成的&緻密に練られていて、地域や時代に依存しないストーリーは普遍? 不変? 不偏?性な感じが好ましく思えました。ご本人は「仙台」という土地に愛着を抱いているようですが、読み手はそこに注力する必要は無し。純粋にストーリーを分析し、結末までの過程を考えればよいのです。
売れ筋作家のせいか、映画監督の想像力を刺激しやすいのか、今後も多くの作品が映画化されることを楽しみにしてます。予想もしない作品や監督、俳優の演技なども期待して!