福岡発文学ムックと「芥川龍之介選 英米怪異・幻想譚」
芥川龍之介の新たな面を知った
知識の引き出しが増えそうな本を読んだ。
「芥川龍之介選 英米怪異・幻想譚」
澤西祐典・柴田元幸 編訳
芥川龍之介は日本人であれば知っておきたい作家だけど、自分は長年つかみ所をわからずにいた。
ただ短編小説家とだけの認識だったけど、実は英文学者っぽい一面も兼ね備えていたことを教えてくれたのが、この1冊。wikipediaを見ても「最終学歴:東京帝国大学英文科」とあるのだから、驚く話でもないかな。
が!気になったのは、訳者のラインナップ。
編者の柴田元幸氏は、この業界?では大御所だし、そうでなくても日頃からTwitterフォローもしている訳者さまばかり。
今まで存じ上げなかった、畔柳和代氏は柴田元幸氏とつながっているのだろうか?
それと、森慎一郎氏は、ナボコフ訳で有名な若島正氏とつながっているのだろうか?
是非、いつか長編を読んでみたい。他の面々については、近頃気に入って読んでいる地方出版の小冊子でお名前を見かける方々が多いのも、嬉しいものであった。
発行元は福岡県「たべるのがおそい」
その小冊子の1つが、こちらの文学ムック。
読めない、書肆侃侃房(しょしかんかんぼう)から発行されている。
短歌が得意な出版社のようだ。
短歌にも興味をお持ち?の編集責任者?の西崎憲氏のつながりかな。
自分、西崎氏のTwitterもフォローしているので、創刊時の興奮はリアルタイムで知っている。西崎氏の伝手なのか、上記翻訳者の方々の多くも登場しているし、柴田氏と編者として名を連ねている澤西祐典氏も寄稿している。
短歌は(自分)興味がない... とか言いつつ、結構真剣に目を通している。結局のところ、短歌は読み始めたらキリがないから、極力敬遠しているのだけど、やっぱりつい読んでしまう。
年2回(4月・10月刊行)予定らしく、2019年2月現在で6号まで刊行済み。
- vol.1:特集 本がなければ生きていけない
- vol.2:特集 地図-共作の実験
- vol.3:特集 Retold 漱石・鏡花・白秋
- vol.4:特集 わたしのガイドブック
- vol.5:特集 ないものへのメール
- vol.6:特集 ミステリ狩り
毎回特集のタイトルだけで、興味そそられる。
発行元は京都府 APIED(アピエ)
こうやって並べられると、全部欲しくなるよね。
こちらも1年2回の発行で、毎号ひとつのテーマを巡って寄稿者がいろいろ語る。この寄稿者に、上記の訳者が顔を出している。
三千院ちかくにあるカフェ、絶対行ってみたい。
Café APIEDの2018年秋営業は終了いたしました。たくさんのお客様がいらっしゃったこと。たくさんの出会いがあったこと。うれしい楽しい秋になりました、ありがとうございました。写真はご近所の方にいただいたお花たち。
— Cafeと文芸誌アピエ (@apied_kyoto) December 3, 2018
来年春の営業は2019年4月5日(金)からになります。よろしくお願いします。 pic.twitter.com/cSReqV6ezG
こちらの冊子については、自分過去にも語っている。
今後も地方から面白い冊子をいろいろ発行されるのを、忙(せわ)しい東京で待ち焦がれたい。幸い、そういう書籍に敏感な書店が近くに多いのが嬉しい。