青森へ行くので棟方志功の足跡追ってみる
棟方志功と東京杉並区の荻窪
ずばり、戦後疎開先の富山から荻窪に引っ越してきたとこが自分のお家の近所、なので非常に親近感を抱いている。私個人的事情?もあるのですが、しばらく棟方志功先生の作品を眺めてゆこうかなと思っている今年である。
各々楽しめるところを追いかけてみた。
縁?あって人生4回目の八甲田山、酸ヶ湯温泉で混浴デビュー...ってやっぱり恥ずかしくてずーっと湯に浸かっていたよ😔 pic.twitter.com/glXFNjYz5f
— やのふじね (@1book1photo) April 29, 2018
青森市内の棟方志功記念館へも
最終日、八甲田山から降りてきて新幹線に乗る前に市内の記念館へも行ってみた。
季節柄、お庭のお花が素敵だった。
季節によって変えているよう。2部屋ほどの展示なので、疲れずに気持ちよく見れた。
- 【春の展示】広大無辺な仏様の世界
棟方作品には仏様や神様が多く見られます。それらは観音経、般若心経、華厳経など決まった経典には捉われませんでした。「裸体の、マッパダカの顔の額の上に星をつければ、もう立派な仏様になってしまう」と語る棟方にとって、仏様だから特別な存在ということはありませんでした。板画という大世界こそホトケサマでありました。春の展示では「間違っていてさえ許してくださるという、恙のない世界」と語る棟方志功が描いた広大無辺な仏様の世界を紹介します。
- 【夏の展示】沢瀉の風ー故郷の土に生まれ、還る
- 【秋の展示】華狩頌ー心で花を狩る
- 【冬の展示】ヨロコビノウタ
他をみる機会は得られるかな。
【春の展示】の勘所は「すべてのものに仏性が宿るという思想だったのかもしれません」という解説付きで「山川草木悉有仏性」
展示作品のタイトルなどを列挙してみると...
- 東北経鬼門譜
詩人・佐藤一英の詩「鬼門」に触発されて生まれました。とあるB4ほどの版画5*24=120枚の大きな作品
新青森駅にも展示されていた。
お釈迦さま10人?の弟子と両脇に2人の菩薩らしい。
- 美人大首絵
切手でもみかける極彩色豊かな作品。
- STEINWAY&SONS
プチグランドピアノがあった。本人は弾かなかったらしいが、素敵なピアノだった(欲しい)。
- 鷹神
昭和4年 八甲田大岳に登るその途中、両翼に見事な円い紋様をもつ鷹に神性
という作品があったのですが、振り返れば酸ヶ湯温泉にそれっぽい?書が掲げられていたなと。そいうことだったのか!と。
- 裏摺り
後の作品によく見られる黒い体の面に白い線で輪郭を入れる
酸ヶ湯温泉の入り口に掲げられていた。
これは裏摺りではないが、後の作品によく見られる特徴だなと。いろいろ、作品のテクニックも研究されていたようである。
「板極道」という著書を支えにしている
志功先生、版画や絵はもちろんですが、書や文筆も素晴らしい気がする。特に漢字の使い方に版画や絵に通じる何か?を(自分は)感じる。
パンフレットに記載されている著書からの引用だけど
『板画の道』昭和31年
身体ごと板画にならなければ ほんとうの板画が生まれて来ない。わたくしを化物にされて欲しいという 心持で板画を生まして行くのです。
「花深所無行跡」昭和38年
板の声を聞くというのが、板という字をつかうことにしたわけなんです。
なるほど。版画ではなく板画... とてもわかりやすい。そして、
『板極道』昭和39年
作品に念願をかけておいていく、柵を打っていく。そういうことで「柵」というのを使っているのです、この柵は、どこまでも、どこまでもつづいて行くことでしょう。
志功先生の作品は、"柵"とか"譜"と銘打っているのが多い。かなりすんなり作品群が腹に落ちる(?)。ということで、作品も魅力的ですが、なかなか雄弁な語りにも魅了される。ご本人のうちに描きたい物事が明確になっているのだろうなと。
昨年、軽く読んだものの目下重く再読中。
上記ではセレブとの交流話に少し食傷気味だったが、今はそこからあれこれ好奇心の範囲を広げていたりする。
県立美術館へも寄り道するつもりだったが、気力尽きて断念。シャガール企画展(5/6まで)はもう無理だけど、棟方志功と奈良美智作品は次回への楽しみとしておく。次回はあるのか?