中央線沿いで暮らす。

女サラリーマン、食と本と旅とお金のこと

実り多し玉村豊男氏ワイナリーの試飲会

どこまでも洗練されている

エッセイスト玉村豊男氏のワイナリー Villa d’Est Gardenfarmの試飲会に参加してきました。玉村氏も参加するということで、有名人にも会える!というミーハー心もあり、かなり楽しみにしてました。

みなさんカメラを構えるので、私も「ここはやっぱり」と躊躇なく撮影です。

f:id:yfroot425:20150903232234j:plain

ご本人も「若い」「毛がある」と自虐しつつ、楽しそうに過去を振り返ってました。

f:id:yfroot425:20150903232256j:plain

試飲会は参加人数に限りがあり、私たちの後ろには、「見るだけ」の参加者が何人かいらっしゃいました。

おつまみは、ワイナリーのレストランで作られたこちら。

f:id:yfroot425:20150903232317j:plain

左から順に

  • 信州サーモンのグジェール
  • カボチャのケークサレ
  • パテ・ド・カンパーニュ
  • セモリナ粉のロールサンド

日頃自分の手料理と勤務地そばの喫茶店ランチばかり食べているだけに、華あるお料理を羨ましいまでに美味しくいただきました。やっぱり、見た目も違います。

シュークリームみたいなグジェール? ふたを開けるとサーモンが鎮座してます。

f:id:yfroot425:20150903232405j:plain

ワインのお話

本日提供のワインリストです。

f:id:yfroot425:20150903232424j:plain

今回あまり色の違いは感じませんでした。左から、ピノ、タザワメルローリザーブメルローです。

ワインが好き!赤が好き!と言いつつ、不勉強な自分です。基本的に楽しければよいので。それだけに、今回ピノノワールがどれほど難しい品種でありがなら、いかに造り手を刺激する品種であるかを醸造担当の小西氏とオーナー玉村氏の話から興味深く聞きました。

玉村氏曰く「医師はピノノワールをやりたがる」とのこと。

小西氏曰く「シャルドネメルローは優等生。だけど、ピノは土地により味が違う。感受性が高い」とのこと。バカほど可愛い理論ですね。

「苦労話は尽きることがない」と前置きをしつつ「この苦労がわかれば3000円のワインが5000円になる」とビジネスマンとしての一面も覗かせます。

小西氏はいかにも職人らしく、細かく専門的に説明してくれます。今回のワイン蘊蓄?を蓄えたおじさま連が多そうだったので、みなさん真面目に耳を傾けていた感じですが、ある程度シリアスさが過ぎると、玉村氏がエッセイストの本領発揮で上手に話をまとめてくれるところが、読ませてくれる文筆家だと実感しました。このような試飲会は初めてです。

それでいて玉村氏曰く

「心の定年」である男の40代がワイン(葡萄)を造りたいと相談に来て、再考を促すけど10人中2人くらいは踏み切ってしまう

などなどの話が、まんざら他人事でもなく聞き入ってしまいます。私は男ではないですが、女の人生というより、生き方自体が男の人生寄りのせいかもしれません。こういう視点も、エッセイストならではかと。

エリートの底力を堪能する

私はささま書店の100均一棚から仕入れたこちらの本で、当ワイナリーの経緯について、多少の予備知識がありました。

予備知識というのは、宝酒造とワイナリービジネスを検討したものの、結局は宝酒造が手を引き、玉村氏は奥さまの反対にも関わらず借金をしてワイナリーを始めたこと。今回もご本人は「58歳で1億円の借金、死ねば(保険で)払える」と語ってます。

見方によっては、玉村氏は本も書き、絵も描き、料理もしてフランス語も堪能で、ワイナリー経営もして信州ワインバレー構想推進協議会会長として人の上にもたち、とマルチタレントぶりにさすが東大卒のエリートとみてとれるかもしれません。しかし、これまで何冊かのエッセイも読んでますが、今回初めてご本人の口から話を聞き、改めてこの方は成功することを夢見ているのではなく、自分が心傾ける方向に全力を尽くした結果として、いろいろな成果が残されてきたのだな、と感じました。

一方、醸造担当である小西氏(1970年生まれ京大卒)は宝酒造で日本酒のご専門だったけど、ワイン造りをしたくて結局退社して玉村氏のところへ移った経歴の持ち主で、玉村氏も「小西さんにワイン造りしたい、お願いします。と言われなければ始めなかった」とさり気なく絆の強さを匂わせました。

小西氏は私と(少し上ですが)同年代であることに参りました。玉村氏にしてみれば、子供のような年齢差でしょうが、信頼してワイン造りを一緒に人生を楽しんでいそうです。

そして、小西氏の

過度な人為的介入を避け、葡萄の個性を素直に抽き出す

というスタンスと

特別なことはやらない、だけど失敗もしない

という方針は、ワインに限らず仕事を行う上でなかなか参考になる見解だと思いました。それでも、総括として「ピノの大変さがわかっていなかった」と言いながら、その困難に向かっていく姿勢も、やっぱりエリートかなと。

楽しむだけでなく、考え&納得させられることも多い試飲会でした。

なお、過去購入したことありますが、もちろん今後も折をみて飲み続けるだろう楽しみなワイナリーです。

yfroot.hatenablog.com

GoTop